排卵モニタリング

妊娠成立には、●十分に成熟した卵が卵巣から排卵されること。●成熟卵の排卵時期に合わせて、精子がタイミングよく卵と出会う条件を整えること。この2つの条件が必須です。この条件を満たすために、卵巣刺激法で十分に卵子を成熟させるとともに、排卵モニタリングで排卵時期を正確に予測します。さらに、卵子と精子が出会う受精の方法には、夫婦生活、人工授精、体外受精、顕微授精があり、受精の方法によって、卵巣刺激法、排卵モニタリングの内容は変化します。

排卵モニタリング

排卵された卵子の寿命はたったの8〜10時間!経腟超音波検査による卵胞計測と子宮内膜の観察の他、尿中LH、さらに血中E2の計量検査によって、妊娠成立に欠かせない排卵時期を正しく予測できます。

卵巣刺激法

排卵モニタリング

受精方法


 

 


卵巣刺激法

卵巣刺激法は、排卵障害の治療法としてはもちろん、排卵障害がない場合にも、妊娠率を高めるために大変重要な治療法です。クロミフェン、hMG - hCGによる排卵誘発は、それぞれの作用機序に合致した投与法で効果が倍増します。

●卵巣を刺激して卵胞の発育を成熟させる排卵誘発剤には、いろいろあり、排卵障害の原因や程度の他、どんな受精方法で妊娠へもっていくかによっても異なります。
●内服薬のクロミフェンは毎日通院しなくてよい便利さがあります。注射のhMG-hCG療法は通院治療が必要です。また、hMG-hCG療法には卵巣過剰刺激症候群、過剰排卵の心配があるため、慎重な投与が必要です。

クロミフェンの作用機序 hMGの作用機序
●クロミフェン(内服薬)はホルモン剤ではありません。脳に「もう卵胞刺激ホルモンを出さなくていい」という指令が届くのを邪魔します。つまり、排卵を抑えるホルモンの働きを抑えて排卵を促します。 ●hMG(注射)はゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)と同じ作用をもつホルモン剤で、卵胞刺激ホルモン量を直接増加させ、卵胞発育を促します。hCGと併用します。

卵巣刺激の具体的な方法(当院の場合)

卵巣刺激の方法には、いろいろな方法があります。当院では、患者さんの個人差に合わせた方法を追求しています。

■GnRHa(GnRHアゴニスト)とhMGを併用する方法

GnRHa(ブセレキュア:点鼻薬)と、hMGの注射(フェルチノーム、ヒュメゴン、hMGフジ)を併用して、卵巣を刺激します。この方法は、GnRHaの投与期間の長さによって、ショート投与法及びロング投与法に分けられます。

●ショート投与法
月経3日目からブセレキュアとhMGを同時に投与します。

●ロング投与法
前月経周期の高温相(基礎体温で高温になってから4日目から5日目)からブセレキュアを使いはじめます。その後、月経3日目からhMGを使いはじめます。

★ブセレキュアの使い方
・朝、夕、就寝前の1日3回、両方の鼻に点鼻します。
・ブセレキュアはhCG注射まで、毎日使います。

★hMG注射の種類、1日の量は卵巣刺激前に決定します。


■クロミフェン・GnRHアンタゴニスト(注射)を併用する方法

経2~3日目よりクロミフェンを5日間服用し、月経8~9日目に卵胞の発育をみます。発育が悪い場合にはhMGを使用することがあります。その後、排卵を抑えるため、GnRHアンタゴニストを使用します。この方法はクロミフェンとGnRHアンタゴニスト(注射)を併用する方法で、一般的に「自然周期法」と呼んでいます

■hMG注射のみを使う方法

月経3日目よりhMG注射をします。GnRHアンタゴニストを使用します。

■クロミフェンとhMG注射を併用する方法

月経3日目よりクロミフェンの服用とhMG注射を始めます。GnRHアンタゴニストを使用します。

GnRHアゴニストとGnRHアンタゴニスト

名前は似ていますが、作用と剤形が違います。GnRHアゴニストは点鼻薬で、最初は視床下部に対し刺激的に作用し、その後、抑制的に作用します。GnRHアンタゴニストは注射剤で、視床下部に対し抑制的に作用します。どちらも排卵を抑えます。

リコンビナントFSH(製品名:フォリスチム)Q&A
QリコンビナントFSH(フォリスチム)はどんな薬ですか?
A「リコンビナント」は「遺伝子組み換え」、「FSH」は「卵胞刺激ホルモン」です。つまり、リコンビナントFSHは、遺伝子組み換え技術を用いて作られた卵胞刺激ホルモン剤です。遺伝子組み換え型の薬はインスリンや成長ホルモンなどが広く使われています。安全性については心配しなくていいでしょう。

Q使うのは体外受精の時だけですか?
Aこの薬は、体外受精や顕微授精など、ART(補助生殖技術)を受ける方を対象に認可された排卵誘発剤ですが、一般不妊治療の排卵誘発を目的に使うこともできます。

Q従来のFSH製剤(hMG)とどこが違うのですか?
A成分は同じFSHですし、剤形もhMGと同じ注射剤です。ただし、hMGは尿由来(閉経期婦人尿が原料)で、リコンビナントFSHは遺伝子組み換え型である点が違います。

Q効果は高いのでしょうか?
A遺伝子組み換え型でFSHの純度が高く均一なことから、安定した効果が期待できます。臨床試験では、従来のFSH製剤に比べて、採卵数、良好胚数がともに多いという報告もあります。

QARTを受ける時はみんなこの薬を使うのですか?
Aいいえ、そんなことはありません。卵巣刺激に使う排卵誘発剤や投与法はいろいろありますし、薬への反応にも個人差があります。患者さんそれぞれの状態に応じてリコンビナントFSHや従来のFSH製剤(hMG)が使われると理解してください。

Q保険は使えますか?
Aフォリスチム注50IUおよび注75 IU(ともに注射、IU:国際単位)は保険適応の対象です。ただし、注150 IUは対象外です。


福田ウイメンズクリニック

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