●一般不妊治療
製作中
●人工授精
Q人工授精の実施前に行うことはありますか?
A排卵時期を予測します。
人工授精を行うには排卵の予測が必要です。排卵時期を正しく予測するために、超音波検査で卵胞の発育を観察し、合わせて尿中LH(黄体形成ホルモン)を測定します。LHサージ(排卵直前にLHが大量に分泌される現象)を確認、またはhCG注射の翌朝に人工授精を行います。

Q人工授精のあとに気をつけることはありますか?
A生活は普段通りで結構です。
人工授精はすぐ終わりますが、診察台で5分程、安静にしていただきます。帰宅後は、運動を含めて普段通りの生活で結構です。抗生物質は2日間きちんと服用してください。
●体外受精・顕微授精
Q胚培養士の方はどんな仕事をしているのですか?
A配偶子(卵子・精子)、受精卵《胚》を扱う専門職です。
胚培養士はエンブリオロジストとも呼ばれ、受精卵を扱う専門職を指します。具体的には、採卵の際の補助、精液の調整や精子の管理、体外受精、顕微授精、受精卵の確認と培養、精子凍結、受精卵凍結などの仕事を担っています。また、卵子や受精卵を培養する培養器が適切に稼動しているかをチェックするのも、胚培養士の仕事です。
胚培養士の仕事場は培養室です。培養室は、研究所・実験室などを意味するラボラトリーを省略して、「ラボ」とも呼ばれています。当院の場合、培養室は診察室内にあります。胚培養士が直接、患者さんと接する機会は少ないのですが、ARTを行う治療施設には欠かせない重要な仕事を受け持っています。
Q採卵にはどんな準備が必要ですか?
A麻酔に備えて前日は深夜以降の飲食を控えてください。
「経腟超音波下採卵」といって、経腟超音波で卵巣の中を観察しながら、採取針を穿刺して、成熟卵胞を採取します。また、当院では、採卵時は鎮痛目的で麻酔を使用することがあります。このように、採卵は手術のひとつなので、事前に詳しい説明を受けていただいた上で、承諾書と同意書にご本人とご主人の署名・捺印をいただきます。
前日および当日の注意事項は下記のようになります。
●前日の注意/採卵前日は深夜以降の飲食は控えてください。
●当日持参いただくもの/承諾書、同意書、ナプキン1枚、サニタリーショーツ1枚。
●帰宅/採卵から1~2時間後に診察を受けていただいたあとで帰宅できます。
●入浴/当日は入浴を控え、安静にしてお過ごしください。
●抗生物質、ホルモン剤などの薬は必ず指示通りに服用してください。
Q胚移植をした日は安静が必要ですか?
A入浴を控えますが、生活は普段通りでかまいません。
新鮮胚移植の場合、通常は採卵の翌々日に胚移植を行います。胚移植そのものは数分で終わりますが、移植後1時間ほど院内で休んでから帰宅していただきます。当日は入浴を控える以外、生活は普段通りでかまいませんが、卵巣の腫れが強い場合は安静が必要なこともあります。
Q新鮮胚移植と凍結胚移植の違いを教えてください。
A新鮮胚移植は、採卵の周期に胚移植します。
体外受精・顕微授精ではまず、女性の卵巣から卵子を採取します。これを採卵といいます。採卵後は体外受精または顕微授精で、卵子と精子の受精操作を行います。採卵と同じ周期内に、受精卵《胚》を子宮内に戻す胚移植を行うことを、新鮮胚移植といいます。
凍結胚移植では、受精卵《胚》を凍結保存した後、採卵を行った周期から時間をおいて、別の周期に、凍結受精卵《胚》を融解して胚移植します。
新鮮胚移植、凍結胚移植、どちらを選択するかは、卵巣過剰刺激症候群の有無や子宮内膜の条件によって判断します。
Q受精卵のグレードについて教えてください。
Aグレード1からグレード5までの5段階で評価します。
受精が成立すると、受精卵は卵割(細胞分裂)を繰り返しながら発育していきます。受精卵の発育はグレード(G)1から5までの5段階で評価し、G1がもっとも良好で、数字が多くなるほど低くなります。当院ではG4・G5は胚移植が難しいと判断しています。当院では「ART記録表」によって説明しています。ご不明な点や疑問は、その際に何でもご質問ください。
Q体外受精・顕微授精では、同意書に署名・捺印するのですか?
A十分に理解いただいたうえで、ご夫婦ともに署名・捺印をいただきます。
体外受精・顕微授精を受けていただく際には、ご夫婦そろって治療内容や治療スケジュールの説明を受けていただきます。十分に理解いただいた上で、ご夫婦ともに署名と捺印をいただきます。
Q受精卵は胚移植までどこに保存されるのですか?
A培養器の中で、厳重な保護のもとに培養されます。
体外受精では媒精後、顕微授精では授精操作後、すぐに培養器の中で培養されます。この段階では、まだ受精卵となっているかどうかはわかりません。通常は同日夕方に受精確認を行います。確認が難しい場合は翌朝になることもあります。培養器はできるだけ女性の体内に近い環境を保つ必要があり、受精や卵割の確認など必要なとき以外、培養器は開閉されません。同様に、受精卵も観察に必要なわずかな時間以外は、外に出されることなく、培養器の中で厳重な保護のもとに培養されます。
Q受精卵が取り違えられる心配はありませんか?
Aダブルチェックのもと、厳重に管理しています。
体外受精・顕微授精ともに、どなたの卵子か、どなたの精子かを厳重にチェックするとともに、受精操作の際には、操作台に一組以外の卵子や精子を置くことはありません。万にひとつでも他の方のものと混ざるのを防ぐためです。また、ダブルチェックといって、二人の胚培養士がお名前をチェックします。このように、当院では取り違え防止のために、厳重な管理を行っています。
●精子の凍結保存
Q精子の凍結はどんなときに行うのですか?
A精液採取ができない場合に備えます。
精子凍結の目的は、人工授精、体外受精、顕微授精当日に、仕事や体調によって精液採取ができない場合に備えるためです。具体的には、精液採取後、洗浄濃縮法でピックアップした元気な精子を液体窒素の中で保存します。
Q凍結精子はどのぐらいの期間、保存できますか?
A保存期間は原則として1年間です。
技術的には半永久的な保存が可能です。しかし、ご夫婦の年齢や治療継続の希望など、さまざまな事情によって保存期間は変わってきます。当院では、保存期間は原則1年間とし、それ以上はご夫婦の希望を伺ったうえで、更新します。もし、治療中止の希望があった場合には、責任をもって廃棄します。
●受精卵《胚》の凍結保存
Q受精卵《胚》を凍結保存するのはどんなときですか?
A胚が余ったときや採卵と同じ周期での胚移植が難しい場合です。
体外受精・顕微授精では、日本産科婦人科学会の会告によって、胚移植は原則1個が望ましく、年齢が高いなどの場合の上限は2個以内とされています。その場合、移植されない胚が余った場合には、余剰胚として凍結保存することができます。また、卵巣過剰刺激症候群が発症し、重症となる可能性があると診断された場合や、子宮内膜が非常に薄くて胚移植しても着床しにくいと考えられる場合、その周期での胚移植は控えないといけません。以上のような場合、胚を凍結保存しておけば、次回以降の周期に融解して、胚移植を行うことができるわけです。
世界で最初の凍結受精卵による赤ちゃんが誕生したのは、1984年のことです。以後、受精卵凍結と融解の技術は大きく進歩し、現在では、胚の凍結保存および凍結胚移植を手がけているかどうかが、ARTを実施する医療機関の実力を評価する大きな目安となっています。
Q受精卵《胚》の凍結について具体的に教えてください。
A細胞が壊れないように凍結保護剤を使います。
胚の凍結法には緩慢凍結法とガラス化法があります。緩慢凍結法は、プログラムフリーザーという器械を使って、時間をかけてゆっくり凍結する方法です。ガラス化法は短時間に一気に急速凍結を行う方法です。いずれの場合も、受精卵の細胞が壊れないように、凍結保護剤を使って行われます。
当院の場合は、培養2日目の2~8分割胚に対しては緩慢凍結法または超急速ガラス化法を、培養5~6日目の胚盤胞に対しては超急速ガラス化法を行っています。凍結した胚は-196度Cの液体窒素の中に保存されます。
Q凍結受精卵はどのぐらいの期間、保存できますか?
A保存期間は原則として1年間です。
-196度Cの液体窒素の中で保存される胚は、半永久的に保存可能ですが、当院では、保存期間は原則1年間とし、それ以上は、この1年以内にご夫婦から希望があった場合に更新しています。希望の申し出がなかった場合や治療中止の希望があった場合には、その後の処分は当院一任となります。なお、日本産科婦人科学会では会告として、「胚の凍結保存期間は夫婦の婚姻の継続期間のみとする」としています。従って当院もこの会告に準じ、離婚後の凍結胚は破棄となりますので、ご了承ください。
Q受精卵《胚》の凍結には同意書が必要ですか?
A説明を十分に理解いただいたあとで、ご夫婦の署名捺印をいただきます。
受精卵《胚》を凍結保存する場合には、必ずご夫婦そろって、凍結保存・融解の方法や起こり得るリスクなどの説明を受けていただきます。十分に理解いただいたあとに、ご夫婦の署名・捺印をいただくことになっています。
●凍結胚移植
Q凍結した胚を融解しても大丈夫なのでしょうか?
A約90%は大丈夫です。
凍結、融解の操作の過程で、一部の胚は変性、破損してしまう可能性があります。凍結、融解後の胚の生存率は90%程度です。
Q凍結受精卵移植のホルモン補充療法について具体的に教えてください。
A移植周期の前周期高温期からホルモン投与が始まります。
凍結受精卵移植のためにホルモン補充療法を行うことを「人工周期」といいます。具体的には、前周期高温相4〜5日目よりGnRHアゴニストを使って自然な排卵を抑え、移植周期の月経第1日からエストロゲン(卵胞ホルモン)を補い、その後プロゲステロン(黄体ホルモン)を併用していきます。当院の具体的なスケジュールについては下記の図を参照ください。 |